寿円佳宏 wonderland

スポーツ業界紙「スポーツフロンティア」に掲載しているコラムをブログで紹介。

2019-01-01から1年間の記事一覧

ブランドは瞬間解凍する記号

市場が縮小する中で、ブランドの大切さを見直す機会が増えている。この場で「ブランドとは」といった話はできないが、気になっている事に少し触れてみたい。 身近な所で言えば、忙しくても親身に相談に乗ってくれる頼り甲斐のある〇〇さん、いい事は言うけど…

便利の先が、善とは限らない。

先日運転中に、ETCが電波を受信できなくなり、久々に一般ゲートを利用した。その時は乗り継ぎが必要で、支払いの度に手間がかかるのを大変面倒に感じた。少し前にも、こんな事があった。出張中に交通系カードを破損し、切符を買う事になった。同僚と一緒に…

もう他人事ではないオープン施策

トヨタの動きが激しい。100年に一度の業界再編という事で、豊田社長が陣頭に立ち改革を進めている。直近ではスズキとの資本提携、その前にはマツダ、スバルとの提携を相次ぎ進めてきた。驚いたのは、少し前になるが二つのニュース。一つはソフトバンクグルー…

黒か白でなく、黒も白も

有名大学を卒業しても、官僚や大企業の道を歩まない人が増えている。昔ながらのエリート道を選ぶ人も、起業するための経験を磨くためと割り切り、期間限定で働く人が多い。大学時代から起業する人も増えている。共通するのは、自分の力で、社会の何かを変え…

見える論理と、見えない感性

長く企画の仕事をしていて感じる事がある。常に心がけているのは、オリエン(企画前の方向付け)の重要性だ。まずは依頼者の意図と課題を聞き、その場で企画の落としどころを見つける。逆に言えば、見つけられるまで粘る。この段階でポイントを絞り込めると、…

覆水盆に返らずと言うけれど

展示会が続き、お店やメーカーの方と話す機会が多くあった。元気な企業は共通して新しい事に挑戦する気風が強い。突然の環境変化や不透明さはあっても「条件はみんな同じ」と受け止め、次の事、自分たちができる事を着々と進めている。そんな話は聞いていて…

水は低きに、情報は興味に流れる

休日の、いつもより遅めの時間帯に、新幹線に乗る機会があった。いつもと同じ新幹線なのに、車内の空気がまったく違っている。平日は、キーボードを叩く音や、資料をめくる紙音くらいしかないのだが、あちこちから会話する声が聞こえてくる。子どもの声も交…

プロジェクトに呼ばれるために

人生100年時代と言われ、少なくとも80年以上を生きる時代になった。少し前、父親たちの世代は55歳が定年で、10年ほど余生を過ごし人生を終えるのが普通であった。70歳以上だと長生きで良かったですねと、声をかけていた様に思う。今は60歳定年が多いが、年金…

時代をリセットする日本の知恵

4月1日に新元号「令和」が発表された。「令」の字が命令とか統制をイメージし好ましくないとか、「和」は最も大切な平和を象徴し嬉しいとか、賛否両論があった。全体的には若い人は好意的で、年齢の高い人は懐疑的という印象である。グローバル世界でのコ…

したたかにAIを手なずける顧客

弊社の調査で顧客に直接ヒアリングする機会があった。その中で「情報の接し方」が興味深かったのでご紹介させていただく。母数は数十人と限られた数であるが、何となく思っていた事を確認することになった。私が感じたのは次の三つ。情報の接し方が、検索か…

立ち止まると、急速に色褪せる

各企業の決算が続々と発表されている。中国経済の減速や、イギリスの合意なきEU離脱などの不透明感から、前年を割る発表が目につく。そうしたニュースで感じるのは、昨年のこの時期は、同じ問題を抱えながらも、多くの企業が増益、過去最高を連発と、活気あ…

AIが作るもう一人のワタシ

ある番組で、大谷翔平を負かした男として、ボストン・レッドソックスのムーキー・ベッツ選手が紹介されていた。入団前は全く注目されていなかったが、レッドソックスの特殊な発掘テストで見出された。身長は175cmと小柄ながら比類な能力を持つ。「判断力」…