寿円佳宏 wonderland

スポーツ業界紙「スポーツフロンティア」に掲載しているコラムをブログで紹介。

だけじゃないアップル体験

 AUとアップルで、興味深い体験をした。娘はアップルの新機種購入、私と家内はキャリアの切替に、お正月の街に出た。まずは電話番号を引き継ぐMNPを取るために電話。要件を説明し、解約にかかる費用を聞く。説明では、MNP3,300円、1ヶ月分の料金7,000円、それに二年縛りの解約金が10,450円、2台分で計41,500円になるという。解せなかったのが解約金。法律が変わり、解約金はないと理解していた。私の契約しているプランは解約金が必要という。合点が行かず近くのAUショップを訪問。事情を説明すると、新プランに変更すれば1,000円で解約できると勧められる。さらに意図を察し、SIMの解除もしてくれた。親切な対応にAUのイメージも好転。解約金がないと思い込んでいたが、正確には1,000円が必要。オペレーターは、解約金は必要と返答。確かに間違いではない。余計な事は言わず、忠実に自分の仕事をこなす。近い将来、機械と人の差は、こういう事かもしれないと感じた。

 

 その後アップルストアに向かうと、初売りで長蛇の列。案内の人に購入ですかと聞かれ、クーポン使わないならネットで購入し、受取りをストアにすれば、待たずに案内できますとの事。ネットで注文し、近くの店舗をブラブラしていると1間もたたず、引渡し可能のメール。店舗でメールを見せ、長蛇の列を横目に商品を受け取る。設定サポートするなら2階にと案内される。対面でなく、大きなテーブルを囲み、スタッフが横でサポート。設定とは関係ない世間話や、これでどんな事ができるか、友達同士の様な会話の中で、進められる。娘が写真教室に通っていると知ると、新しいカメラだとこんな写真が撮れる、凄いでしょうと力説してくれる。隣では初めてのスマホを手にした中学生が、人気アニメの声優の話で盛り上がっていた。また新機種を手に入れた人を、拍手で祝福する歓声がフロアのあちこちで起きていた。商品を渡すというより、「アップルファミリーへようこそ」という雰囲気。AUとアップルでの二つの体験。情報格差を利用したモデルから抜け出せない日本企業と、体験価値を最大化しようとするGAFA。その差を痛感する一日であった。これから主流になるネットと店舗の融合OMOOnline Merges with Offline)の一端を知る機会にもなった。