jueny’s diary

スポーツ業界紙「スポーツフロンティア」に掲載しているコラムをブログで紹介。

コミケに学ぶ次世代のあり方(2015年2月)

 「知られざるコミケの世界」という特番をNHKがやっていた。コミケという言葉は聞いたことがある程度で、マニアの間で盛り上がっているイベントくらいの認識であった。テレビを通じてであるが、その規模や熱気を知ると”知られざる”というタイトルはファンの方には失礼とも感じた。もちろん現場で体験しないとその本質を知りえないが、一端を知ると共にそこで行われている様々なことが今後を示唆しているようで興味深かった。

 「コミケ」はコミックマーケットの略で、毎年8月と12東京ビッグサイトで行われる。すでに87回を数え3日間で60万人が参加する。多様な同人サークルが、へたうま関係なく自作の物品を展示販売できる。漫画、アニメ、ゲーム、音楽、アイドル、コスプレ、手作りアクセサリーなど日本のサブカルチャーが一堂に集う場でもある。番組を見ながら感じた事を少し紹介してみたい。

 まずは、プロとアマ、供給者と受給者、仕事とプライベート、国内と海外など、これまでの境がなくなっていること。年齢や立場を超えて誰もが、自分に合った方法で参加できる。運営は多くのボランティアに支えられているのも特徴だ。設営は3000人のボランティアが6000台の机をわずか1時間で設置する。参加者は誰かからバトンを受け継ぎ、それを次の人につなぐ。そうした30年のノウハウが伝承される参加者の意識と仕組みがすごい。楽しい遊び場を守る、好きな人が喜ぶ顔をみたい。「好き」や「誰かの役にたつ」がエンジンになっている。これはコミケ以外の様々な分野でも広がっており、最近若い人たちから「アイデアや技術で世の中の問題を解決したい」と聞くことが多くなった。優先すべき順位が確実に変わっている。会場には 海外からのお客様も多く語学に堪能なボランティアがサポート、医師も常駐し安心を提供する。多くの人が一斉に動くのを制御する方法も凄いノウハウだ。通信環境も過酷である。モバイルキャリアは人を中継基地にする実験を行い、通信インフラの確保に努めている。こうしたことは全て、今後や東京五輪で必要なインフラと重なる。ある意味コミケは未来を凝縮していると思う。カルチャー以外にもコミケに学ぶことは多いはずだ。